タンパク質とビタミンが結合して代謝される確率を「確率的親和力」と言います。発達障害の診断を受けられた子供達は、この確率的親和力が低い為、一般的な栄養量では足りず、本来持っている力を発揮することができないと言われており、これが一般的な言葉で使われる「体質」です。
パーフェクトコーディング理論とは
分子栄養学の「パーフェクトコーディング理論」とは、タンパク質とビタミンなどの栄養素を充分に取ることで、優先順位が低い代謝まで行えるようにしてしまう代謝改善方法です。分子栄養学では、多くのタンパク質とビタミン、ミネラルを摂ることにより、体が本来持っている機能を高めていく、従来のカロリー計算を行う栄養学とは異なったアプローチを取っていきます。
タンパク質
筋肉、血管、臓器など体を作るのに欠かせない材料が「第一の栄養素」と言われるタンパク質です。タンパク質は、血液中で栄養素を運んだり、代謝酵素になるなど、体の中の様々な場所でその役割を担っています。人間の体の約7割は水分、約2割はタンパク質です。毎日摂取しなければならない必要最低限のタンパク質量は、【体重×1g以上】です。確率的親和力を上げる為には、体内にタンパク質とビタミンを多く入れてあげ代謝を促進させることが必要です。
良質なタンパク質を知る
良質なタンパク質が含まれた食材を確認するには「プロテインスコア」を検索しましょう。「プロテインスコア」をインターネットで検索し見て頂ければ分かるように一番良質なタンパク質を含んだ食材は「卵とシジミ」です。特に卵は、ビタミンCと食物繊維以外の全ての栄養素が含まれたパーフェクト食材だと言われています。
プロテインのメリット
ホエイプロテインを毎日20g×3回に分けて飲むことで体重60kg相当のタンパク質が摂取できます。また、ホエイプロテインを摂ることによって「朝目覚めが良くなり、疲れにくくなる」「気候変動に強くなる」「夏バテしなくなる」とたくさんの体質改善効果があると言われています。ホエイプロテインを飲むと気分が悪くなる方は、重度のタンパク質不足の為に体内で消化し切れない症状の表れのようです。日々の食事で積極的にタンパク質を摂っていくことで、段々と体が慣れ飲めるようになると思います。
糖質過剰を制限する
日本の主食と言えば、白米です。しかし、お茶碗1杯150gの白米を砂糖に換算した場合、「約11個分の角砂糖」と同じ糖質が含まれていることはご存知でしょうか?白米から糖質ばかり取っていると、血糖値を上げるホルモンがたくさん必要になるため、ビタミンB群やミネラルもどんどん消費され、枯渇してしまいます。玄米を混ぜて食物繊維を摂取するなど、慢性疾患の大きな要因である糖質を制限した食事を試みることが必要です。
良い油を使う
多くの食品にトランス脂肪酸(サラダ油や植物油脂、食用植物油、マーガリン、ショートニング)といわれる成分が含まれています。アメリカでは、2018年に「狂った脂肪」と呼ばれるトランス脂肪酸の食品添加を禁止しました。日本では現在も多くの食品に使われています。バターやラードの飽和脂肪酸は、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸のバランスが優れており、長時間継続してエネルギーに変わるようです。
良い塩を使う
米や砂糖と同様に「精製された塩」はナトリウム過剰になるため調理には使用しません。海水から作られる「未精製の自然塩」を使用して体内にミネラルを補給します。高齢化による高血圧の予防や改善のため、医師から塩分を控えるように言われる理由は、ナトリウム過剰を避けるためです。その為、ナトリウムと拮抗するカリウムを豊富に取る必要があり、野菜などに多く含まれるカリウムは体内の余分なナトリウムを排出してくれます。
鉄分
鉄は心を安定させるセロトニン、快楽を感じさせるドーパミン生成の補酵素です。鉄が不足すると、体はエネルギーを失うと言われています。また、鉄は全身に酸素を送り、二酸化炭素を回収する為、鉄が足りないと全身に酸素は行き渡らず、体はだるさを覚えると言います。ADHDとLDの男女比は3:1と言われており、圧倒的に男子が多くなるようです。積極的に鉄分が多く含まれる魚などを取り入れてみてはどうでしょうか。
ビタミンC
脂肪酸をミトコンドリアに取り込むにはビタミンCが必要です。また、お肌を綺麗にしたり、血管壁を強くするコラーゲンの合成には、タンパク質+ビタミンC+鉄が必要だと言われています。
ナイアシンアミド(ビタミンB3)
ビタミンB3(ナイアシン)依存症である統合失調症の治療には、ナイアシンの大量投与が必要で、発達障害や知的障害、精神障害の改善にも使用されているようです。
マグネシウム
マグネシウムは、体内の酵素反応に不可欠なミネラルです。ある実験でADHDの子供の95%がマグネシウム欠乏だという結果も出ており、マグネシウム補給は多動性の軽減にも役立つと言われています。また、メラトニンの合成にも必要な為、睡眠の改善にも役立つようです。
ビタミンB群
ビタミンB不足(特にB1不足)では、ピルビン酸がアセチルCoAに代謝されず、クエン酸回路機能が低下します。ビタミンB1は糖質代謝の補酵素としても働いているようです。
ビタミンE
ビタミンE不足があると、呼吸で得た酸素の43%が不飽和脂肪酸の自動酸化のために浪費されます。酸素は本来、ミトコンドリア内膜にある電子伝達系で用いられるものです。酸素不足になるとエネルギー量が低下すると言われています。
【出典】藤川徳美著「医師や薬に頼らない!すべての不調は自分で治せる(出版:方丈社出版)」
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