体質を改善する|発達障害・ADHDとプロテイン・ナイアシンアミドなど栄養の基礎知識
このページのまとめ
- 栄養で発達障害やADHDそのものが治るわけではありません。プロテインやナイアシンアミドで症状がよくなるという、医学的に確かめられた根拠は現在のところありません。
- 一方で、バランスのよい食事は、お子さまが毎日を元気に過ごすための土台です。
- プロテインやサプリメントを子どもに使う前は、かかりつけ医や管理栄養士に相談してください。
このページでは、発達が気になるお子さまの保護者さまからよくご質問をいただく、タンパク質(プロテイン)やナイアシンアミド、鉄などの栄養について、体の中での働きと、発達との関係で分かっていること・まだ分かっていないことを、公的な資料をもとに整理しています。
発達障害・ADHDとプロテイン(タンパク質)
タンパク質の働きと必要な量
タンパク質は、筋肉・血液・皮膚・ホルモンなど、体をつくる材料になる栄養素です。子どもに必要な量は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」で年齢ごとに推奨量が示されています。肉・魚・卵・大豆製品・乳製品のどれかを毎食1品取り入れると、無理なく摂りやすくなります。
プロテインは発達障害やADHDに効果がある?
プロテイン(タンパク質を補う粉末などの食品)で、発達障害やADHDの症状がよくなるという医学的に確かめられた根拠は、現在のところありません。成長期の子どもは、ふだんの食事からタンパク質を摂ることが基本です。
偏食でタンパク質不足が心配なとき
発達に特性のあるお子さまは、感覚の過敏さなどから食べられるものが限られ、栄養が偏りやすいことがあります。食べられる食品の中でタンパク質を含むものを探す、調理法や形を変えてみるなど、少しずつ試してみてください。体重が増えない、元気がないなど気になる様子があるときは、小児科で相談しましょう。
子どもにプロテインを使う前に
食事だけでは足りないと感じてプロテインを使う場合は、事前にかかりつけ医や管理栄養士にご相談ください。乳由来のプロテインを飲んで体調が悪くなる場合は、乳アレルギーや乳糖不耐症の可能性もあるため、使用をやめて医師に相談しましょう。
ナイアシンアミドは発達障害・ADHDの子どもに使える?
ナイアシン(ビタミンB3。ナイアシンアミドはその一種)は、食べたものからエネルギーをつくる反応に関わるビタミンです。肉・魚・きのこなどに含まれ、ふだんの食事で不足することはまれです。
医師の著書などで、発達障害や心の不調に高用量のナイアシンを使う栄養療法が紹介されることがありますが、効果は医学的に確かめられていません。とりすぎによる健康への影響を防ぐため、「日本人の食事摂取基準」では年齢ごとに耐容上限量(これ以上とらないほうがよい量)が定められています。子どもにサプリメントを使う場合は、必ず事前に医師にご相談ください。
鉄とマグネシウム
鉄
鉄は、血液で酸素を運ぶほか、セロトニンやドーパミンなど脳内の神経伝達物質をつくる酵素の働きにも関わるミネラルです。ADHDのある子どもで鉄の値が低い傾向を指摘する研究もありますが、鉄を補うことで症状がよくなるかどうかは、まだはっきりしていません。赤身の肉や魚、大豆製品、小松菜などを食事に取り入れ、不足が気になるときは自己判断でサプリメントを使わず、医師に相談して血液検査で確かめましょう。
マグネシウム
マグネシウムは、体の中の多くの酵素の働きに関わるミネラルです。ADHDの症状との関連を指摘する研究報告もありますが、補うことで症状がよくなるかどうかは確かめられていません。海藻・大豆製品・ナッツ類などに含まれます。気になる場合は、自己判断でのサプリメント摂取ではなく、かかりつけ医にご相談ください。
そのほかのビタミン
ビタミンB群(特にB1)は、ごはんやパンなどの糖質をエネルギーに変えるときに必要です。ビタミンCは、皮膚や血管をつくるコラーゲンの合成や、鉄の吸収を助ける働きがあります。ビタミンEは、細胞を酸化から守る働きをもつビタミンです。どれも特定の食品にかたよらず、主食・主菜・副菜をそろえた食事で摂ることが基本です。
ぐりーんの昼食について
ぐりーんでは、休日・長期休暇の昼食(1食500円・税込)に、石井食品の「無添加調理」のレトルト食品(製造過程で食品添加物を使用していないもの)を使っています。食物アレルギーのあるお子さまは、ご利用前にご相談ください。毎日の食事や偏食のことも、気軽にスタッフにお話しください。
よくあるご質問
Q. 発達障害やADHDにプロテインは効果がありますか?
A. プロテインで発達障害やADHDの症状がよくなるという、医学的に確かめられた根拠は現在のところありません。成長期の子どもは、ふだんの食事からタンパク質を摂ることが基本です。プロテインを使う場合は、事前にかかりつけ医や管理栄養士にご相談ください。
Q. ナイアシンアミドを子どもに使っても大丈夫ですか?
A. ナイアシンアミドで発達障害やADHDの症状がよくなる効果は、医学的に確かめられていません。とりすぎによる健康への影響を防ぐため、年齢ごとに耐容上限量が定められています。子どもにサプリメントを使う場合は、必ず事前に医師にご相談ください。
Q. 偏食でタンパク質が足りているか心配です。どうすればよいですか?
A. 食べられる食品の中でタンパク質を含むものを探す、調理法や形を変えてみるなど、少しずつ試してみてください。体重が増えない、元気がないなど気になる様子があるときは、小児科で相談しましょう。
食事全体の見直し方は「食生活を見直そう」、ご家庭向けの基礎知識の一覧は「発達支援を受けるご家庭へ」をご覧ください。
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※本ページの内容は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療を目的とするものではありません。お子さまの発達や健康についてのご心配、サプリメントの使用については、医療機関にご相談ください。
参考資料
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」
- 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「『健康食品』の安全性・有効性情報」
- 農林水産省・厚生労働省「食事バランスガイド」
この記事の監修者:久保 崇太郎(心理指導担当職員・保育士)
監修日・最終更新日:2026年10月13日
