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保護者向けコラム|2025年6月号

自閉スペクトラム症(ASD)と栄養素|腸内環境を整える食事の工夫

公開日: 更新日:

この記事のポイント:自閉スペクトラム症(ASD)のお子さんには、偏食やおなかの不調がよく見られます。近年、腸内環境と脳の働きの関係を調べる研究が進んでいます。腸内環境を整える食事の工夫と、意識してとりたい栄養素・食材を紹介します。

自閉スペクトラム症(ASD)とは

自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害、ASD)の特徴は、3歳ごろまでに現れることが多く、多くの場合は3歳前後で診断が可能です。一方で、知的な遅れがなく言葉の発達が順調な場合は、小学校に入ってから、あるいは大人になってから初めて診断されることもあります。

特徴の現れ方は一人ひとり大きく異なり、言葉の発達のゆっくりさ、感覚の過敏さ、こだわりの強さなどがあります。

偏食・おなかの不調と腸内環境

ASDのお子さんには、小さいころからの偏食や、便秘・下痢などおなかの不調がよく見られます。研究では、腸内細菌のバランスとASDの特性に関係がある可能性が示されています。

腸と脳は互いに影響し合っており(脳腸相関)、腸内細菌は、気分や神経の働きに関わるセロトニンなどの物質や、善玉菌がつくる短鎖脂肪酸、炎症、腸のバリア機能などを通じて、脳の働きに関わっていると考えられています。腸内環境を整える食事で、行動面に良い変化が見られたという報告もありますが、まだ研究が進められている段階です。

腸内環境を整える食事の工夫

  • 食物繊維を増やす:野菜、海藻、豆類などは善玉菌のえさになります
  • 発酵食品をとる:味噌、納豆、ヨーグルトなどで善玉菌を補います
  • 魚を食べる:魚の油は神経の働きを支え、炎症をおさえる働きがあるといわれます
  • 新鮮な野菜やきのこをとる:炎症をおさえる栄養素が豊富です

小麦や乳製品を除く食事法もありますが、成長期の子どもにとっては大切な栄養源でもあります。試してみたい場合は、自己判断で行わず、医師や管理栄養士に相談しながら進めてください。

意識してとりたい栄養素と食材

  • オメガ3脂肪酸(EPA・DHA):サバ、イワシなどの青魚
  • ビタミンD:魚、きのこ。日光を浴びることでも体の中でつくられます
  • ビタミンB群(特にB6):全粒穀物、豚肉、鶏肉
  • マグネシウム:ナッツ類、種子、緑黄色野菜
  • 亜鉛:牡蠣、赤身肉、種子類
  • 鉄:赤身肉、レバー、卵、ほうれん草などの緑黄色野菜

偏食のあるお子さんは、こうした栄養素が不足しやすいことがあります。無理に食べさせるのではなく、食べられる食材の中から少しずつ取り入れていくことが、成長を支える一歩になります。

ご家庭でできること

  • 食べられる食材を書き出し、その中で栄養をとれる組み合わせを探す
  • 味噌汁や納豆など、毎日続けやすい発酵食品を一品取り入れる
  • 新しい食材は、ひと口・小さく刻むなど、少量から試す
  • 便秘や下痢が続くときは、かかりつけの医師に相談する

※サプリメントの利用や食事の制限を考えるときは、必ず医師や管理栄養士にご相談ください。

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