発達検査・WISC(ウィスク)とは|種類・受け方・結果の見方
発達検査は、お子さまの発達の様子を、決まった方法で調べて数値や特徴として表す検査です。そのうち、考える力や記憶の力などを調べるものを知能検査と呼び、小学生以上の相談でよく使われるのがWISC(ウィスク)です。
検査は「できる・できない」を決めるためのものではなく、お子さまの得意なことと苦手なことを知り、関わり方や学び方を考えるための手がかりです。このページでは、検査の種類や受け方、結果の見方をまとめました。
このページでわかること
・発達検査と知能検査の違い
・よく使われる検査の種類と対象年齢
・WISCでわかること
・検査を受けられる場所と流れ
・結果の見方と、支援への生かし方
発達検査と知能検査の違い
発達検査は、主に乳幼児期のお子さまを対象に、運動・ことば・人との関わりなど発達全体の様子を調べます。結果は「発達指数(DQ)」や、どの領域が何歳ごろの発達にあたるかで表されます。
知能検査は、考える力・ことばの力・記憶する力・作業の速さなど、知的な力を調べます。結果は「知能指数(IQ)」で表され、平均が100になるように作られています。どちらも、検査者と1対1で、おもちゃやカード、質問を使って行います。
よく使われる検査の種類
| 検査名 | 主な対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| 新版K式発達検査 | 0歳〜成人 | 「姿勢・運動」「認知・適応」「言語・社会」の3つの領域で発達を見ます。乳幼児の発達相談でよく使われます |
| 遠城寺式乳幼児分析的発達検査 | 0歳〜4歳ごろ | 運動・社会性・ことばの発達を、月齢の目安と照らし合わせて見ます |
| WISC-V(ウィスク・ファイブ) | 5歳0か月〜16歳11か月 | 全体のIQと、5つの指標で得意・苦手の差を見ます。小学生以上の相談でよく使われます |
| WPPSI-III(ウィプシ) | 2歳6か月〜7歳3か月 | 幼児向けのウェクスラー式知能検査です |
| 田中ビネー知能検査V | 2歳〜成人 | 年齢の目安に沿った問題で、全体の知的な発達を見ます。療育手帳の判定で使われることもあります |
どの検査を使うかは、お子さまの年齢や相談の内容に合わせて、検査を行う機関が決めます。
WISC(ウィスク)でわかること
WISCは、世界で広く使われているウェクスラー式の知能検査の、子ども向けの版です。日本では現在、第5版のWISC-Vが使われています。全体の力を表す「全検査IQ(FSIQ)」のほかに、次の5つの指標が出ます。
ことばの意味を理解したり、ことばで説明したりする力です。
形や位置関係をとらえ、目で見たものを組み立てる力です。
初めて見る問題のきまりを見つけ、考えて解く力です。
聞いたことや見たことを、少しのあいだ覚えておきながら使う力です。
目で見たものを、速く正確に処理して書き写すなどの力です。
大切なのは、全体の数値よりも、指標どうしの差(得意・苦手の凸凹)です。たとえば「ことばの理解は得意だが、聞いて覚えておくのは苦手」と分かれば、「指示は短く区切る」「目で見て分かるメモを添える」といった工夫につながります。
検査には1時間から1時間半ほどかかるのが一般的です。お子さまの集中力に合わせて、休憩を入れたり、2回に分けたりすることもあります。
検査はどこで受けられる?
主な相談先
・お住まいの市町村の発達相談・療育相談(保健センターなど)
・子どもの発達を診ている小児科・児童精神科などの医療機関
・奈良県のこども家庭相談センター
・教育委員会の教育相談・就学相談
・民間の相談機関(費用は自費になることが多いです)
医療機関で受ける場合は、まず診察を受けてから検査の予約をする流れが一般的で、予約まで数か月待つこともあります。公的な窓口では無料で受けられることもあります。費用や待ち時間は機関によって違うため、事前に確認してください。
検査の前に気になることがある段階なら、「診断前の相談先・受診の流れ」で相談の流れをまとめています。
受ける前に知っておきたいこと
問題の練習はしない
同じ問題を練習すると、本来の力とは違う結果になり、支援に生かしにくくなります。
体調のよい日に
眠い日や体調が悪い日は、力を出しにくくなります。日程を変えてもらえるか相談しましょう。
お子さまへの伝え方
「テスト」ではなく「いろいろなクイズやパズルをする日だよ」など、安心できる伝え方をしましょう。
同じ検査は間をあけて
同じ知能検査をくり返し受けるときは、一般に1〜2年ほど間をあけます。以前の結果があれば持参しましょう。
結果の見方と生かし方
結果は、検査を行った専門職から報告書や口頭で説明されます。数値だけでなく、検査中の様子(集中のしかた、分からないときの反応など)も大切な情報です。分からない言葉があれば、その場で質問して大丈夫です。
IQはあくまで検査を受けたときの一つの目安で、お子さまの将来がその数値で決まるわけではありません。結果を学校や通っている事業所と共有すると、お子さまに合った教え方や環境づくりに役立ちます。数値が平均と知的障害の範囲のあいだにある場合については、「境界知能とは」をご覧ください。
ぐりーんでの取り組み
ぐりーんでは検査は行っていませんが、保護者の方から検査結果を見せていただき、個別支援計画づくりに生かしています。たとえば、聞いて覚えるのが苦手なお子さまには、絵や文字で手順を示したり、得意な力を生かした学び方を取り入れたりします。
・学習・宿題支援:分かるところから、お子さまに合った方法で取り組みます
・ことば・コミュニケーション:ことばの理解や伝え方を、教材や遊びで練習します
・保護者のご希望があれば、学校とも情報を共有します
検査を受ける前や、受給者証の申請前から、見学・相談をお受けしています。
よくあるご質問
Q. 発達検査と知能検査はどう違いますか?
A. 発達検査は主に乳幼児の運動・ことば・人との関わりなど発達全体を調べ、知能検査は考える力や記憶の力など知的な力を調べてIQで表します。
Q. WISCは何歳から受けられますか?
A. 現在使われているWISC-Vの対象は5歳0か月から16歳11か月です。それより小さいお子さまには、WPPSIや新版K式発達検査などが使われます。
Q. WISCの結果で大切なのはどこですか?
A. 全体のIQよりも、言語理解・視空間・流動性推理・ワーキングメモリー・処理速度の5つの指標の差(得意・苦手の凸凹)が、関わり方や学び方を考える手がかりになります。
Q. 検査はどこで受けられますか?
A. 市町村の発達相談、小児科・児童精神科などの医療機関、こども家庭相談センター、教育委員会の教育相談などで受けられます。費用や待ち時間は機関によって違います。
Q. ぐりーんで検査を受けられますか?
A. ぐりーんでは検査は行っていません。保護者の方から検査結果を見せていただき、個別支援計画に生かしています。検査の前からでも見学・相談をお受けしています。
あわせて読みたい
奈良県で検査結果をもとに相談できる4拠点
見学・相談だけでも大丈夫です。お近くの拠点をご覧ください。
