クレーン現象とは|大人の手を使って伝える理由と、家庭での関わり方
「ほしい物があると、何も言わずに私の手をつかんで持っていく」。そんなお子さまの様子が気になっている保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
クレーン現象とは、子どもが大人の手をつかんで、ほしい物や開けてほしい物のところへ持っていき、代わりにやってもらおうとする行動のことです。大人の手をクレーンのように使うことから、こう呼ばれています。このページでは、クレーン現象が見られる理由と、ご家庭でできる関わり方をまとめました。
このページでわかること
・クレーン現象とはどんな行動か
・クレーン現象が見られる理由
・相談を考えたい目安
・家庭でできる関わり方
・就学後に見られる場合と、ぐりーんでの対応
クレーン現象でよく見られる様子
・冷蔵庫の前まで大人の手を引いて行き、扉に手を当てる
・お菓子の袋やふたを、大人の手に持たせて開けてもらう
・高い所にある物の方へ、大人の手を持ち上げる
・テレビやタブレットを操作してほしいとき、大人の手を画面に当てる
・そのとき、大人の顔や目をあまり見ないことがある
クレーン現象が見られる理由
ことばや指差し、「ちょうだい」のしぐさで伝える方法がまだ身についていないとき、いちばん確実な方法として大人の手を使うことがあります。1歳前後には、発達の途中で一時的に見られることもあります。
相手の顔を見て伝えたり、同じ物を一緒に見たり(共同注意)することが苦手な場合、相手の手だけを使って伝えることがあります。
クレーン現象は、自閉スペクトラム症(ASD)のお子さまに見られることがある行動として知られています。ただし、クレーン現象があるだけで自閉スペクトラム症とは言えません。ほかの様子とあわせて見ていくことが大切です。
相談を考えたい目安
次のような様子があわせて見られるときは、一度相談してみることをおすすめします。
・2歳を過ぎても、クレーン現象がよく見られる
・指差しで「あれ」と伝えたり、見せたりすることが少ない
・名前を呼んでも振り向きにくい、目が合いにくい
・ことばの数が増えにくい、オウム返しが多い
1歳6か月児健診や3歳児健診、お住まいの市町村の発達相談、かかりつけの小児科で相談できます。ことばの遅れについては「ことばの遅れ」の記事もご覧ください。
家庭でできる関わり方
クレーン現象は、お子さまなりの「伝えたい」気持ちの表れです。手をふりはらったり、叱ったりせず、まずは応じてあげましょう。
「ジュースだね」「あけて、だね」と、お子さまが伝えたかったことを短いことばにして返します。くり返すうちに、ことばと物が結びついていきます。
大人が指を差しながら「これ?」と聞いたり、手を合わせる「ちょうだい」のしぐさを見せたりして、手を引く以外の伝え方を少しずつ練習します。
「りんごとバナナ、どっち?」と2つ見せて選んでもらったり、写真や絵カードを指差して伝えたりする方法も役立ちます。
ほしい物を大人の顔の近くで見せてから渡すと、自然に顔を見る機会が増えます。目が合ったら、にっこりして渡しましょう。
就学後に見られる場合
クレーン現象は、小学校に入ってからも見られることがあります。ことばを話せるお子さまでも、困ったときや急いでいるときに、大人の手を引いて伝えることがあります。「わかってもらえない」経験が重ならないよう、ことばで伝えられたら応じる、伝え方の見本を示すなど、幼児期と同じ関わりを続けていくことが大切です。
ぐりーんでの対応
ぐりーんでは、未就学のお子さまから就学後のお子さままで、クレーン現象が見られるお子さまに次のように関わっています。
・指差しや「ちょうだい」のしぐさ・ことばの見本を示します
・絵カードを使って、ほしい物ややってほしいことを伝える練習をします
・ことば・コミュニケーションの教材で、伝える力を育てます
取り組みの内容は、ことば・コミュニケーションの支援プログラムでご紹介しています。
よくあるご質問
Q. クレーン現象とは何ですか?
A. 子どもが大人の手をつかんで、ほしい物や開けてほしい物のところへ持っていき、代わりにやってもらおうとする行動です。大人の手をクレーンのように使うことから、こう呼ばれています。
Q. クレーン現象があると自閉症ですか?
A. クレーン現象は自閉スペクトラム症のお子さまに見られることがある行動ですが、それだけで自閉スペクトラム症とは言えません。1歳前後には発達の途中で一時的に見られることもあります。
Q. どんなときに相談すればよいですか?
A. 2歳を過ぎてもよく見られる、指差しが少ない、名前を呼んでも振り向きにくい、ことばが増えにくいなどの様子があわせて見られるときは、健診や市町村の発達相談、小児科で相談してみてください。
Q. 家ではどう関わればよいですか?
A. 手を引かれたらまず応じ、「あけて、だね」とことばを添えます。指差しや「ちょうだい」の見本を見せる、選択肢や絵カードで選ばせるなど、手を引く以外の伝え方を少しずつ練習しましょう。
Q. ぐりーんではどのように対応していますか?
A. 未就学から就学後のお子さままで、指差しや「ちょうだい」のしぐさ・ことばの見本を示し、絵カードで伝える練習や、ことば・コミュニケーションの教材での取り組みを行っています。
奈良県でクレーン現象の相談ができる4拠点
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