SSTとは|ソーシャルスキルトレーニングの内容・例と家庭でできる練習
SST(ソーシャルスキルトレーニング)とは、あいさつや順番を待つこと、気持ちを伝えることなど、人と関わりながら生活するためのスキル(技術)を、練習によって身につけていく方法です。療育の場だけでなく、学校や医療機関などでも取り入れられています。
人との関わりがうまくいかないのは、性格の問題ではなく、「どう言えばいいか知らない」「その場面で思い出せない」ことが原因の場合も多くあります。スキルは練習で身につけられるからこそ、SSTが役立ちます。このページでは、SSTの進め方と練習する内容、ご家庭でできるSSTをまとめました。
このページでわかること
・SSTの基本の進め方(5つのステップ)
・SSTで練習する主なスキル
・年齢別の練習の例
・家庭でできるSST(遊び・ゲーム)
・ぐりーんでの取り組み
SSTの基本の進め方
SSTは、一般的に次の5つのステップで進めます。
「友だちのおもちゃを使いたいときは、『かして』と言うよ」のように、練習するスキルと、それがなぜ大切かを短く伝えます。
大人が実際にやって見せます。イラストやワークシートで場面を見せることもあります。
お子さま自身が言ってみる、やってみる練習をします。失敗しても大丈夫な場面で、何度でも練習できるのがSSTのよいところです。
できたところをすぐに具体的にほめます。うまくいかなかったところは、「次はこう言ってみよう」と一緒に考えます。
練習したスキルを、家庭や園・学校、友だちとの遊びの中で実際に使ってみます。練習の場だけでなく、いろいろな場面で使えるようになることが目標です。
SSTで練習する主なスキル
あいさつ・返事
「おはよう」「さようなら」、名前を呼ばれたときの「はい」など、関わりの入り口になるスキルです。
友だちとのやりとりのことば
「いれて」「かして」「ありがとう」「ごめんね」など、友だちと一緒に遊ぶときに使うことばです。
順番を待つ・交代する・勝ち負けを受けとめる
ゲームや遊びの中で、順番を守る、負けてもくやしい気持ちを切り替える練習をします。
困ったときに助けを求める
「手伝って」「教えて」「もう一回言って」と言えると、分からないまま困ってしまうことが減ります。
気持ちをことばにする
「うれしい」「くやしい」「いやだ」などの気持ちを、手が出る前にことばで伝える練習です。気持ちを表す絵やカードを使うこともあります。
頼み方・断り方
相手をいやな気持ちにさせずに頼む、自分がいやなことははっきり断る、といった少しむずかしいやりとりです。
年齢別の練習の例
あいさつ・返事、「かして」「いれて」、順番を待つ、気持ちを表す簡単なことば
勝ち負けを受けとめる、困ったときに「教えて」と言う、相手の気持ちを考える、頼み方・断り方
電話のかけ方、お店での注文、身だしなみ、場面に合った話し方など、社会に出てから役立つスキル
家庭でできるSST
SSTは、特別な道具がなくても、毎日の遊びや生活の中で取り入れられます。
すごろく・カードゲーム
順番を待つ、交代する、負けても「もう一回やろう」と切り替える練習になります。
お店屋さんごっこ
「これください」「ありがとうございました」など、お店でのやりとりを遊びの中で練習できます。
絵本やテレビで「どんな気持ち?」
登場人物の表情を見て、「この子はどんな気持ちかな」「なんて言えばいいかな」と一緒に考えます。
お手伝いで「ありがとう」
お手伝いを頼む・お礼を言うやりとりを、家族の中でくり返します。大人が見本を見せることも大切です。
外出先で使ってみる
家で練習したことを、お店での注文やお会計など、実際の場面で使ってみます。
うまく進めるコツ
・一度に練習するのは1つのスキルだけにする
・場面の前に「お店に入ったら何て言う?」と確認しておく
・できたら、その場ですぐに具体的にほめる
・うまくいかなくても責めず、次の言い方を一緒に考える
SSTが役立つお子さま
SSTは、発達障害の有無にかかわらず、次のような様子が見られるお子さまに役立ちます。
・友だちとの関わり方が分からない、集団に入れない
・気持ちをことばにできず、手が出たり泣いたりしてしまう
・負けるとかんしゃくを起こす、順番が待てない
・困っていても「教えて」「手伝って」と言えない
・相手の気持ちを考えるのが苦手で、すれ違いが起きやすい
自閉スペクトラム症(ASD)やADHD、境界知能のお子さまの支援でも、SSTはよく取り入れられています。
ぐりーんでの取り組み
ぐりーんでは、ことば・コミュニケーションのプログラムの中でSSTを行っています。
・職員とお子さまの1対1、個別で行うことが多いです。お子さまのペースに合わせて、1つずつ練習します
・場面のイラストやSSTワークシートを見ながら、相手の気持ちや言い方を一緒に考え、実際に言ってみます
・あいさつ・返事、「いれて」「かして」「ありがとう」「ごめんね」、順番・勝ち負け、困ったときの「手伝って」「教えて」、気持ちをことばにする、頼み方・断り方などに取り組みます
・中学生・高校生には、電話のかけ方やお店での注文、身だしなみなども練習します
・練習したことは、小集団でのカードゲームや買い物ワークなど、友だちとの活動の中でも使ってみます
その日に練習した内容は連絡帳でお伝えしますので、ご家庭でも同じことばで声をかけていただけます。
よくあるご質問
Q. SSTとは何ですか?
A. ソーシャルスキルトレーニングの略で、あいさつや順番を待つこと、気持ちを伝えることなど、人と関わりながら生活するためのスキルを、練習によって身につけていく方法です。
Q. SSTではどんなことを練習しますか?
A. あいさつ・返事、「いれて」「かして」などの友だちとのやりとり、順番や勝ち負け、困ったときに助けを求めること、気持ちをことばにすること、頼み方・断り方などです。中高生では電話のかけ方やお店での注文なども練習します。
Q. 家庭でもSSTはできますか?
A. できます。すごろくやカードゲーム、お店屋さんごっこ、絵本を見ながら気持ちを考えるなど、遊びや生活の中で取り入れられます。一度に1つのスキルにしぼり、できたらすぐにほめることが大切です。
Q. SSTは何歳から受けられますか?
A. 決まった年齢はありません。未就学のお子さまは遊びの中であいさつや「かして」などを、中高生は電話や注文など社会に出てから役立つスキルを、年齢に合わせて練習します。
Q. ぐりーんではどのようにSSTを行っていますか?
A. ことば・コミュニケーションのプログラムの中で、職員とお子さまの1対1の個別で行うことが多いです。イラストやワークシートで場面を考えて実際に言ってみる練習をし、小集団の活動でも使ってみます。練習した内容は連絡帳でお伝えしています。
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