保護者向けコラム|2026年9月号
和食の知恵を子どもの食事に|味噌・納豆・海藻・青魚の栄養
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この記事のポイント:2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された和食には、味噌や醤油などの発酵食品、大豆製品、海藻、魚、薬味など、体づくりに役立つ食材がそろっています。それぞれの栄養と昔からの知恵を紹介し、子どもの毎日の食事に取り入れるヒントをまとめました。
味噌と醤油|毎日の食卓にある発酵食品
味噌は1300年ほど前から受け継がれてきた発酵食品です。大豆のたんぱく質やイソフラボンに加え、発酵の過程で生まれる褐色の成分「メラノイジン」には抗酸化作用があるといわれています。
味噌の菌をできるだけ生かすには、火を止めてから味噌を溶き、沸騰させないのがコツです。野菜スティックに少しつけるなど、加熱しない食べ方もあります。買うときは、原材料名が「大豆・米(または麦)・食塩」とシンプルなものを選ぶと安心です。
醤油は、麹菌・乳酸菌・酵母が1年ほどかけてつくる発酵調味料で、一滴の中に300種類以上の香りの成分が含まれているといわれます。ただ、味噌も醤油も塩分が多いので、子どもの料理は薄味を心がけ、だしのうま味を生かすのがおすすめです。
納豆と豆腐|大豆はたんぱく質の宝庫
納豆のネバネバに含まれる酵素「ナットウキナーゼ」は、1980年代に日本の研究者によって見つかり、血液の流れとの関係が研究されています。
豆腐は大豆をにがりで固めたシンプルな食品で、良質なたんぱく質を消化しやすい形でとることができます。大豆に含まれるレシチンは、脳の神経伝達物質の材料のひとつです。江戸時代の天明2年(1782年)には、100種類の豆腐料理を紹介した『豆腐百珍』という本が出され、人気を集めました。
納豆に醤油を少し、豆腐にネギや生姜をのせるだけで一品になります。手軽で、家計にもやさしい食材です。
生姜・ネギ・大根|薬味に込められた知恵
和食に添えられる薬味は、飾りだけではありません。生の生姜に含まれる「ジンゲロール」には殺菌作用があり、寿司のガリにも生かされています。加熱すると「ショウガオール」という成分に変わり、体を温める働きがあるといわれます。
ネギの香りの成分(硫化アリル)にも殺菌作用があります。焼き魚に大根おろしが添えられるのは、大根に含まれる消化酵素が消化を助けるためです。子どもが辛みを苦手とするときは、少量から試すか、加熱して甘みを出すと食べやすくなります。
海藻と青魚|ミネラルと良い脂
もずくやめかぶのぬめり成分「フコイダン」は水溶性の食物繊維で、腸内の善玉菌のえさになります。ひじき・わかめ・のりはカルシウムも豊富です。昆布は甲状腺ホルモンの材料になるヨウ素を多く含みますが、とりすぎにも注意が必要なため、だしとして使う程度がちょうどよい量です。ひじきは水で戻し、戻し汁を捨ててから使いましょう。
魚の脂は、肉の脂と違って常温で固まりにくい「不飽和脂肪酸」です。サバ・アジ・イワシ・サンマなどの青魚に多いEPAやDHAには血液の流れを整える働きがあり、DHAは脳をつくる成分のひとつとして知られています。手ごろな価格の青魚は、子どもの食事にも取り入れやすい食材です。煮干しはカルシウムやたんぱく質が豊富で、だしにもおやつにも使えます。
昔の人の食事から学べること
江戸時代、手紙を運んで長い道のりを走った飛脚は、玄米、味噌、梅干し、たくあん、干し魚といった質素な食事をとっていたと伝えられています。私たちの体は、毎日食べたものでつくられています。長い時間をかけて磨かれてきた和食の知恵は、近年の研究でもその一部が注目されています。
毎日完璧な献立を目指す必要はありません。いつもの食卓に一品、和食の食材を足すところから始めてみませんか。
ご家庭でできること
- 味噌汁を具だくさんにして、豆腐・わかめ・野菜を一度にとる(味噌は火を止めてから溶く)
- 味付けは薄めにして、昆布や煮干しのだしでうま味を足す
- 朝ごはんやお弁当に、納豆・豆腐・焼き魚など、大豆か魚のおかずを一品加える
- 生姜やネギなどの薬味は、子どもの好みに合わせて少量から、または加熱して試す
※食物アレルギーがある場合や、食事について気になることがある場合は、かかりつけの医師や管理栄養士にご相談ください。
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