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保護者向けコラム|2026年3月号

うつ病の歴史から考える|心の不調との向き合い方と家族の関わり

公開日: 更新日:

この記事のポイント:うつ病は、診断基準の変化や社会での受けとめ方によって、その姿を変えてきた病気です。歴史を振り返りながら、薬との付き合い方、そして家族や自分の心の不調に気づいたときの関わり方を考えます。

診断基準の変化とうつ病

精神科の診断マニュアル「DSM」は、1980年の第3版(DSM-Ⅲ)で大きく変わりました。それまでは、はっきりした理由がないのに気分が落ち込む状態が典型的なうつ病と考えられていましたが、第3版からは、原因を問わず、決められた症状がどれだけ続いているかで診断するようになりました。

この変更で診断のばらつきは減った一方、つらい出来事による落ち込みも含めて、うつ病と診断される人が増えたという見方もあります。

「うつは心の風邪」という言葉

日本では1999年ごろから、新しいタイプの抗うつ薬SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が使われるようになり、「うつは心の風邪」という言葉も広まりました。心療内科という窓口が増えたこともあり、心の不調で受診することへのハードルは下がりました。

相談しやすくなったことは大切な前進です。その一方で、「風邪のようにすぐ治る」というイメージが広がり、薬に頼りすぎてしまうことへの心配の声もあります。

薬とは医師と相談しながら付き合う

抗うつ薬の添付文書には、特に若い人で、飲み始めや量を変えたときに不安やイライラ、死にたい気持ちが強まることがあると注意書きがあります。飲んでいる間は、本人だけでなく家族も様子の変化に気を配ることが大切です。

また、自己判断で急に薬をやめると、体調をくずすことがあります。減らしたい、やめたいと思ったときは、必ず主治医に相談しながら進めてください。治療の方法には、薬のほかにカウンセリングや生活リズムの見直しもあります。気になることは遠慮なく医師に聞いてみましょう。

家族の心の不調に気づいたら

心の不調は、本人よりも先に家族が気づくことがあります。眠れない、食欲がない、好きだったことを楽しめない、といった様子が続くときは、責めたり励ましすぎたりせず、温かく見守りながら話を聞くことが支えになります。

子育て中の保護者の方自身も、心が疲れてしまうことがあります。「がんばらなければ」と抱え込まず、休むことや誰かに頼ることも大切にしてください。

ご家庭でできること

  • 早寝早起きと朝ごはんで、家族の生活リズムを整える
  • 不調のサインに気づいたら、まずは否定せずに話を聞く
  • 薬を飲んでいる家族がいるときは、自己判断でやめず主治医に相談する
  • 保護者自身も一人で抱え込まず、相談できる人や窓口を持っておく

※気持ちのつらさが続くときは、かかりつけの医師や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)にご相談ください。

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