社内コラム|令和8年9月号
妹背の道と陰陽の調和|違いを認め合い、互いに学び合うチームのつくり方
公開日:2026年10月2日 発行:株式会社ぐりーん
ぐりーんでは毎月、職員に向けて社内コラムを共有しています。このページでは、その中から、これから一緒に働く方にも知っていただきたい考え方を、読みやすく編集してご紹介します。
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「妹背(いもせ)」という言葉
古い日本語に「妹背(いもせ)」という言葉があります。「妹(いも)」は女性を、「背(せ)」は男性を親しんで呼ぶ言葉で、二つを合わせた「妹背」は、仲の良い男女や夫婦を表します。伊勢神宮の「伊勢」は、この「妹背」から来ているという説もあります。
妹背の関係は、どちらかが上でどちらかが下、というものではありません。お互いが自分の姿を映し合う鏡のような存在で、恋の熱が冷めたあとの信頼は自然に生まれるものではなく、二人で少しずつ築いていくもの。そんな考え方が込められています。
これは夫婦に限らず、一緒に働く仲間にも通じる話だと私たちは考えています。
ホツマツタヱに伝わる「赦し」の話
『ホツマツタヱ』という古文書があります。江戸時代に知られるようになった文書で、学術的には古代の歴史書とは認められていませんが、記紀とは少しちがう神話が書かれています。
そこでは、天照大神は男性の神として描かれ、その正妻として瀬織津姫(せおりつひめ)という女神が登場します。物語の中で瀬織津姫は、大きな罪を犯した素戔嗚尊(すさのおのみこと)のこれからの改心を信じ、重い罰を軽くするよう願い出たと伝えられています。この物語では、相手を責めて終わりにせず、調和を取り戻そうとする姿が描かれています。
「民は大御宝(おおみたから)」と竈の煙
日本書紀には、仁徳天皇が高い所から国を見渡したとき、家々から炊事の煙が上がっていないことに気づき、人々の暮らしが立ち直るまで税や労役を免除したという話が残っています。その間、宮殿が傷んでも修理をしなかったと伝えられています。
「お母さんはいいから、あなたが食べなさい」「困っている人がいたら助けてあげなさい」。多くの家庭で受け継がれてきたこうした言葉にも、自分より先に相手を思う心が表れています。損か得か、効率が良いか悪いかだけで物事を決めるなら、人とAIの違いはどこにあるのでしょうか。相手を思いやる心は、人と関わる仕事の土台だと考えています。
支援の中の「陰」と「陽」
陰陽の考え方では、陰と陽はどちらが良い・悪いではなく、両方がそろって調和が生まれます。陰陽の図(太極図)に描かれているように、陰の中には陽が、陽の中には陰があります。
たとえるなら、田植えで稲を植え、水を引き、決まった時期に刈り取るという段取りが「陽」の力です。一方で、稲の一本一本に心を込め、「食べる人が元気でいられますように」と願いながら植える気持ちが「陰」の力です。
児童発達支援・放課後等デイサービスの仕事にも、この両方があります。
- 陰の力:子ども一人ひとりの気持ちに気づき、寄り添い、安心できる関係をつくること
- 陽の力:個別支援計画を立て、目標に向けて毎日の支援を形にしていくこと
寄り添うだけでも、計画どおりに進めるだけでも、良い支援にはなりません。一人の職員の中にも、チームの中にも、両方の力があることが大切だと考えています。
正しさを固めず、「道」を歩む
茶道や武道のように、日本には「道」とつく言葉がたくさんあります。「道」は、ここで完成というゴールではなく、歩み続けるプロセスです。「これが正しい」と決めつけてしまうと、それと違う考えはすべて間違いに見えてしまいます。
子どもへの関わり方にも、ただ一つの正解はありません。自分とは違うやり方をする同僚を見て、「そんな声のかけ方があるのか」と気づくことは少なくありません。
- 自分になかった相手の良いところを、自分の中に取り入れてみる
- 「自分の中の正しさ」を、ときどき手放してみる
- 経験年数や立場に関係なく、お互いを映す鏡として学び合う
ぐりーんでは、こうした学び合いを大切にしながら、チームで子どもを支えていきたいと考えています。
今あることは「有り難い」
「ありがとう」の語源とされる「有り難い」は、「有ることが難しい」、つまりめったにないという意味です。今日、子どもたちと笑い合えること。困ったときに声をかけてくれる仲間がいること。当たり前に思えることも、多くの人の支えがあってこそ成り立っています。
その感謝を忘れずに、違いを認め合い、学び合える職場であり続けたい。それが、このコラムに込めた私たちの思いです。
監修:佐野 明香(児童発達支援管理責任者) 監修日:2026年10月15日
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