社内コラム|令和7年11月号
色が見えるしくみと、支援に生かす色の工夫|見通しと安心を「色」で伝える
公開日:2025年11月18日 発行:株式会社ぐりーん
ぐりーんでは毎月、職員に向けて社内コラムを共有しています。このページでは、その中から、これから一緒に働く方にも知っていただきたい考え方を、読みやすく編集してご紹介します。
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私たちの目は、どうやって色を感じているのか
光は電磁波の一種で、そのうち人の目に見える範囲の光を「可視光」と呼びます。波長の違いによって、私たちは赤や緑、青などの色の違いを感じています。
目の奥の網膜には、主に赤・緑・青の光に反応する3種類の細胞(錐体)と、明るさ・暗さを感じる細胞(杆体)があります。3種類の錐体がどのくらい反応したかの組み合わせで、脳はたくさんの色を見分けています。
暗いところで働く杆体には、ロドプシンという物質が欠かせません。ロドプシンはビタミンAから作られるため、ビタミンAが不足すると暗いところで物が見えにくくなること(夜盲症)が知られています。
「光の三原色」と「絵の具の三原色」
テレビやスマートフォンの画面のように、自ら光を出すものは、赤・緑・青の光を重ねて色を作ります。これが「光の三原色」です。重ねるほど明るくなり、3色すべてを重ねると白になります。
一方、紙や絵の具などは、当たった光のうち一部の色を吸収し、残りを反射しています。たとえば赤く見えるりんごは、赤い光を多く反射しているから赤く見えるのです。こちらは混ぜるほど暗くなり、「色の三原色」として赤(マゼンタ)・黄・青(シアン)が使われます。
ちなみに、色の光は医療でも使われています。たとえば新生児黄疸の治療では、青い光を当てて体内のビリルビンを排出しやすい形に変える「光線療法」が、医療機関で医師の管理のもと行われています。
色で「見通し」を伝える
発達に特性のある子どもの中には、ことばで聞くよりも、目で見て分かる情報のほうが理解しやすい子がいます。色はそうした「目で見て分かる手がかり」として、支援の現場でよく使われます。
- 場所を色で分ける:活動する場所、休む場所、持ち物を置く場所などを色で区別し、「どこで何をするか」を分かりやすくする
- 予定を色で示す:スケジュールカードを活動の種類ごとに色分けし、1日の流れの見通しを持てるようにする
- 持ち物を色で覚える:自分のマークや色を決めて、自分のロッカーや道具を見つけやすくする
ぐりーんの事業所で、カラフルなプレートを各所に配置しているのも、子どもたちや職員が明るい気持ちで過ごせて、場所や物を見つけやすくなることを願ってのことです。
色を使うときに気をつけたいこと
色は便利な手がかりですが、使い方にはいくつか配慮が必要です。
- 色の見え方は人によって違います。日本では男性の約20人に1人、女性の約500人に1人が、一部の色を見分けにくい色覚の特性を持つといわれています。色だけに頼らず、形・文字・絵記号も組み合わせる
- 感覚が敏感な子どもにとっては、色や模様が多すぎると刺激が強く、疲れたり集中しにくくなったりすることがあります。落ち着いて過ごしたい場所は、色数を抑えてすっきりさせる
- 「この色で気分が良くなる」「この色が体に効く」といった効果は、人によって感じ方が違い、科学的な根拠がはっきりしないものもあります。色の好みや反応は、一人ひとりの様子を見ながら確かめる
環境を整えることは、ことばかけと同じくらい大切な支援です。子どもが「次に何をするか分かる」「ここなら安心」と感じられる空間を、色の力も借りながら職員みんなで工夫していきたいと考えています。
監修:久保 崇太郎(心理指導担当職員・保育士) 監修日:2026年10月15日
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