社内コラム|令和7年10月号
体内時計と生活リズム|月と太陽の暦から考える、毎日の整え方
公開日:2025年10月20日 発行:株式会社ぐりーん
ぐりーんでは毎月、職員に向けて社内コラムを共有しています。このページでは、その中から、これから一緒に働く方にも知っていただきたい考え方を、読みやすく編集してご紹介します。
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月のリズムとともに生きる生き物たち
自然界には、月の満ち欠けとともに暮らす生き物がいます。よく知られているのがサンゴの一斉産卵で、オーストラリアのグレートバリアリーフなどでは、満月の数日後の夜に多くのサンゴが一斉に卵を放つことが観察されています。
日本にも、「新月の頃に切った木や竹は虫がつきにくく長持ちする」という昔からの言い伝えがあります。人々が月の動きを手がかりに暮らしてきたことがうかがえます。
旧暦から太陽暦へ——明治5年の改暦
日本では明治5年まで、月の満ち欠けをもとに季節のずれを調整する「太陰太陽暦(旧暦)」が使われていました。明治政府はこれを改め、明治5年12月3日を明治6年1月1日とする「太陽暦(新暦)」に切り替えました。わずか1か月足らずの予告で暦が変わったため、当時の人々は大きく戸惑ったといわれています。
福沢諭吉は改暦の直後に『改暦弁』を著し、太陽暦の合理性を広く説きました。今では当たり前の「1年12か月・365日」も、こうした歴史の上に成り立っています。
私たちの体にある「体内時計」
暦とは別に、人の体には約1日の周期でリズムを刻む「体内時計(概日リズム)」が備わっています。体内時計のしくみを遺伝子レベルで解き明かした研究は、2017年のノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
体内時計の周期は、実は24時間ぴったりではありません。人ではおよそ24.2時間と、24時間より少し長いことが研究で示されています(参考:Czeisler, C. A. ほか 1999年 Science 284巻)。そのため、毎日少しずつずれる時計を、朝の光や食事、活動などで「リセット」しながら暮らしているのです。
- 朝の光:朝に光を浴びると体内時計がリセットされ、昼間の活動モードに切り替わる
- メラトニン:脳の松果体から分泌され、夜になると増えて眠りを促すホルモン。夜遅くまで強い光を浴びると分泌が遅れやすい
- 決まった時間の食事や活動:毎日同じ頃に食べる・動くことも、体のリズムを整える手がかりになる
体内時計が乱れると、寝つきが悪くなる、朝起きられない、日中に集中しにくいといった形で、心と体の調子に影響が出ることがあります。
子どもの支援にも、働く私たちにも
発達に特性のある子どもの中には、睡眠のリズムが崩れやすい子や、予定の変化に不安を感じやすい子がいます。生活リズムを整えることは、安心して1日を過ごすための土台になります。
- 来所してからの流れ(あいさつ・おやつ・活動・帰りの準備など)をできるだけ毎日同じにして、見通しを持ちやすくする
- 外あそびや散歩など、日中に光を浴びて体を動かす時間をつくる
- 眠りや朝の様子で気になることがあれば、ご家庭と情報を共有し、無理のない範囲で一緒に工夫を考える
そしてこれは、働く私たち自身にもいえることです。休みの取り方や勤務時間を自分の生活に合わせて選べること、しっかり休んで次の日に備えられること。職員一人ひとりの生活リズムが整っていることが、子どもたちと笑顔で向き合う力になると考えています。
監修:久保 崇太郎(心理指導担当職員・保育士) 監修日:2026年10月15日
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