愛着障害と発達障害(ADHD・自閉症)の違い|子どもに見られる様子と相談先
「落ち着きがないのは、ADHDではなく愛着障害なのでは?」「人なつっこすぎて、誰にでもついていってしまう」。お子さまの様子から、愛着障害と発達障害の違いが気になって調べている方もいらっしゃると思います。
このページでは、医学的な意味での愛着障害と、ADHD・自閉症(自閉スペクトラム症)との違い、相談先をまとめました。どちらも、診断は医療機関で行うものです。
このページでわかること
・愛着障害とは
・愛着障害の2つのタイプ
・ADHD・自閉症との違い
・相談先
・家庭やぐりーんでできる関わり
愛着障害とは
愛着(アタッチメント)とは、子どもが不安なときに特定の大人を頼り、安心を取り戻そうとする心の結びつきのことです。愛着障害は、この結びつきがうまく育たず、人との関わり方に困りごとが出ている状態を指します。医療機関では「反応性アタッチメント障害」「脱抑制型対人交流障害」という診断名が使われます。
乳幼児期に、特定の大人との安定した関わりが長く得られなかったこと(養育する大人がたびたび替わる、極端に世話が不足するなど)が関係するといわれています。ふだんの子育ての忙しさや、ときどき叱ってしまうことなどで起こるものではないとされています。
なお、インターネットや本では、大人の人間関係の悩みなどを広く「愛着障害」と呼ぶこともありますが、このページでは子どもの医学的な診断について説明しています。
愛着障害の2つのタイプ
つらいときや不安なときにも、大人に頼ったり慰めを求めたりすることがほとんどなく、慰められても反応が少ないタイプです。表情が乏しく、人と関わることに消極的に見えることがあります。
初めて会った大人にもためらいなく近づいたり、ついていったりするなど、相手との距離のとり方に困りごとがあるタイプです。人なつっこく見えることがあります。
ADHD・自閉症との違い
愛着障害と発達障害は、見た目の様子が似ていることがあり、見分けがむずかしいことがあります。おおまかな違いは次のとおりです(スマートフォンでは、表を横にスクロールしてご覧ください)。
| 愛着障害 | 発達障害(ADHD・自閉症) | |
|---|---|---|
| 考えられている成り立ち | 乳幼児期の、特定の大人との関わりの経験が関係するといわれる | 生まれつきの脳の働き方の特性 |
| 人との関わり | 不安なときに大人を頼らない、または誰にでもなれなれしく近づく | 自閉症では、気持ちのやりとりや相手の意図を読むことが苦手。ADHDでは、話を最後まで聞けない・順番を待てないなど |
| そのほかの特徴 | 安定した関わりが続くと、様子が変わっていくことがある | 自閉症ではこだわりや感覚の過敏さ、ADHDでは不注意・多動・衝動性が、場面をこえて見られる |
ADHDなどの発達障害と、愛着の困りごとが重なって見られる場合もあります。様子だけで保護者が判断せず、医療機関で相談することが大切です。くわしくは「ADHD(注意欠如・多動症)とは」、「自閉スペクトラム症(ASD)の特徴」をご覧ください。
相談先
・子どもの心や発達を診ている小児科・児童精神科などの医療機関
・お住まいの市町村の発達相談・子育て相談の窓口
・奈良県のこども家庭相談センター(奈良市にお住まいの方は奈良市子どもセンター)
・通っている園や学校の先生、スクールカウンセラー
どこに相談すればよいか迷うときは、まず市町村の子育て相談の窓口に相談すると、必要に応じて専門の機関を紹介してもらえます。診断前の相談の流れは「診断前の相談先・受診の流れ」でご紹介しています。
家庭でできる関わり
安心できる毎日の流れをつくる
起きる時間や食事、寝る前の過ごし方など、毎日の流れをなるべく同じにすると、子どもが見通しをもって安心して過ごせます。
気持ちをことばにして返す
「くやしかったね」「こわかったね」と、子どもの気持ちを大人がことばにして返します。気持ちを受け止めてもらえる経験が、安心につながります。
できたことを具体的に認める
「自分で準備できたね」など、できたことをその場で具体的に伝えます。
保護者自身も相談する
関わり方に悩んだときは、保護者の方が一人で抱えこまず相談することも大切です。関わり方を学ぶ方法として「ペアレントトレーニング」もご紹介しています。
ぐりーんでの取り組み
ぐりーんでは、できるだけ同じ職員が関わり、活動の流れを絵や写真で前もって示すなど、お子さまが安心して過ごせる環境づくりを大切にしています。気持ちの伝え方や人との距離のとり方は、「ことば・コミュニケーション」の支援で練習しています。
ぐりーんは医療機関ではないため、診断は行っていません。診断の前から、受給者証の申請前からでも、見学・相談をお受けしています。
よくあるご質問
Q. 愛着障害とは何ですか?
A. 子どもが不安なときに特定の大人を頼る心の結びつき(愛着)がうまく育たず、人との関わり方に困りごとが出ている状態です。医療機関では「反応性アタッチメント障害」「脱抑制型対人交流障害」という診断名が使われます。
Q. 愛着障害とADHDはどう違いますか?
A. ADHDは生まれつきの脳の働き方の特性で、不注意・多動・衝動性が場面をこえて見られます。愛着障害は、乳幼児期の特定の大人との関わりの経験が関係するといわれ、人との関わり方に困りごとが出ます。様子が似ていて見分けがむずかしく、両方があてはまる場合もあるため、医療機関で相談しましょう。
Q. 愛着障害と自閉症はどう違いますか?
A. 自閉症(自閉スペクトラム症)は生まれつきの特性で、気持ちのやりとりの苦手さに加えて、こだわりや感覚の過敏さなどが見られます。愛着障害では、安定した関わりが続くと様子が変わっていくことがあります。見分けは医療機関で行います。
Q. 子育てのしかたが悪いと愛着障害になりますか?
A. ふだんの子育ての忙しさや、ときどき叱ってしまうことなどで起こるものではないとされています。養育する大人がたびたび替わる、極端に世話が不足するなど、安定した関わりが長く得られなかったことが関係するといわれています。
Q. ぐりーんで診断を受けられますか?
A. ぐりーんは医療機関ではないため、診断は行っていません。診断の前から、受給者証の申請前からでも見学・相談をお受けしています。
奈良県で子どもの発達や関わり方を相談できる4拠点
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